第148章

夜が更けていく。機体は幾重もの雲海を突っ切り、デルタ地帯の方角へ高速で突き進んでいた。

機内の照明は柔らかい。渡会祐介が脇に立ち、最新状況を報告している。

「ボス。黒狼組がここ二日で警備員をかなり増やしました。西側から武装部隊を二個小隊、追加で引き抜いたって話です」

黒田理沙はシートに身を預け、タブレットに映した衛星地図を指先でめくっていた。

画面には赤い点がびっしり。黒狼組の、現時点で判明している拠点のすべて。

渡会の報告を聞いても、彼女の表情は一ミリも動かない。

「美矢の位置は?」

「……まだです」

渡会祐介の顔色が沈む。

「拘束場所を三回変えられてます。追ってはいます...

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