第151章

しばらくして、彼はスマホをしまい、視線をふたたび窓の外の漆黒へ戻した。

花村美矢を救い出し、ここでの始末をすべて片づけたら――彼女に会いに帰る。

ただこの時の花村尚希は、胸の奥で思い続けているその相手が、同じ目的地へ向けて疾走していることを、まだ知らなかった。

夜は重い。黒田理沙は後部座席にもたれ、膝の上にタブレットパソコンを置いていた。画面に映っているのは、黒狼組の秘密拠点の構造図。

細く長い指が地図の上をゆっくりとなぞる。眼差しは静かで、揺れない。

そのときだった。渡会祐介のイヤホンに、切迫した報告が飛び込んでくる。

彼の表情がわずかに変わり、即座に通信機を開いた。

「もう...

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