第152章

夜は重く沈み、デルタ地帯最大の地下オークション拠点は眩いほどに灯りが満ちていた。外から見ればただの廃倉庫。だが一歩踏み込めば、そこは別世界だ。

黒田理沙は全身を黒でまとめ、渡会祐介と、もう一人の腹心を連れて車を降りた。

入口には銃を構えた警備員が二列に並び、出入りする者は例外なく厳しいチェックを受けている。

渡会祐介が声を落とす。

「ボス……中、荒れそうっすね」

黒田理沙は表情を崩さず、視線だけで周囲をなぞった。

瞳がわずかに揺れ、低く告げる。

「中に入ったら、あんたと六郎は隙を見て抜けて」

二人が同時に息を呑む。

「ボス?」

声は淡々としていた。

「外周を見て。重点は...

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