第154章

同時に、ホール中央で司会者の声がふいに熱を帯びた。

「さあ、続いて! 今夜最後の競売品です!」

ホールが一瞬で静まり返り、無数の視線がオークション台へ吸い寄せられる。黒狼でさえソファから身を起こし、背筋を伸ばした。

――来た。

ほどなくして、特殊合金のケースがゆっくりと運び出される。

分厚い箱体。表面には暗証ロックが幾重にも並び、ひと目で高級品だと分かる重々しさ。

司会者は息を深く吸い込み、慎重に言葉を選ぶように告げた。

「皆さま。こちらに収められているのは、近頃デルタ地帯を騒がせている特殊鉱石の原料です。価値については――今さら私が説明するまでもないでしょう」

その瞬間、会...

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