第159章

黒田理沙はしばし沈黙してから、隠し立てすることなく言った。

「……あの原材料のロットが原因よ」

花村尚希の目が、わずかに揺れる。

黒田理沙は窓の外へ視線を投げた。記憶が、四年前へと引き戻されていく。

あの頃の彼女は、赤晶石の価値に気づいたばかりだった。希少であるだけじゃない。将来、多くの技術の土台になり得る――そんな素材。

ところが情報が漏れた途端、いくつもの勢力がその鉱区に目をつけた。

奪い取ろうとする者。独占しようとする者。中には、いっそ潰してしまおうとする者までいた。

「原材料を守るために、私はデルタ地帯へ入った。……それで、念初組を作ったの」

花村尚希は眉を寄せる。口...

ログインして続きを読む