第161章

花村尚希は長い指で肘掛けをとん、とん、と軽く叩きながら、その暗号列の推理を始めた。

時間がじりじりと過ぎていく。十数分後、最後の暗号層が破られ、情報が画面に浮かび上がった。

【山本先生、先日ご提出いただいた結晶構造データは検証を通過しました。国立科学院は、最終実験プランのご確認を早急にお願いしたいとのことです】

【また、量子計算プロジェクトチームは先生の論文の枠組みに沿って初期構築を完了しました。次のご指示をお待ちしております】

花村尚希は画面を見つめ、瞳の奥に残っていた最後の迷いが、すっと消えた。

黒田理沙――それは、山本亜莉沙だ。

彼は首を傾け、隣で眠りこけている少女へ視線を...

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