第166章

黒田美穂はぴたりと動きを止め、目の縁がみるみる赤くなった。

「おばあちゃん……私、ずっと時間かけて作ったのに……」

ひどく悔しそうで、まるで理不尽な仕打ちでも受けたかのような顔。

黒田美沙子がたちまち不機嫌になる。

「お母さん、どういうつもり? 美穂がせっかく作ってくれたのに、何その態度。子どもの孝行も受け取れないわけ?」

黒田婆さんは冷ややかに彼女を見た。しばらくして――ふっと笑う。

「孝行? あんたたちが、その言葉を口にするの?」

その一言で、病室は一瞬にして静まり返った。

黒田美沙子の顔が引きつる。

「……お母さん、どういう意味よ」

黒田婆さんの瞳に、はっきりとした...

ログインして続きを読む