第169章

花村美矢はバックステージから飛び出してくると、黒田理沙の目の前まで駆け寄った。きらきらとした瞳。

「師匠! さっき、格好よすぎました! 客席の人たち、みんな見とれてましたよ!」

彼女は黒田理沙の腕にぎゅっと絡みつき、興奮のままぶんぶん揺する。

「特に壇上で話してるとき、師匠、ほんと光ってました! 私があの協業先だったら、絶対取り合いしてでも組みたいです!」

揺さぶられて、黒田理沙は困ったように息を吐き、花村美矢の額を指先で軽く弾いた。

「騒ぐな」

美矢は額を押さえ、「へへ」と笑ってから、また身を寄せて声を落とす。

「師匠、さっきうちの兄が客席で師匠見てたとき、目がもう貼りついて...

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