第17章

向こうで何を言われたのか、青山美玲はふわりと笑い声を漏らした。

「それならよかった……明日? ちょうど空いてる……うん、いいよ。じゃあ決まりね、また明日」

通話が切れる。

青山美玲の声には、抑えきれない得意げな色が混じっていた。

「高橋さん、取れた。明日、尚希兄が私をご飯に誘ってくれたの」

「そうこなくちゃ」

高橋の声は、心底うれしそうだ。

「美玲さんはお綺麗で、しかもお育ちもいい。花村家の御曹司が好きにならないわけないでしょう。何度か会えば、自然と気持ちは育ちますよ」

黒田理沙は暗がりに立ったまま、その最後の言葉まで聞き届けると、くるりと身を翻し、物音ひとつ立てずに階段を上...

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