第170章

花村美矢は脇に立ち、息を詰めてモニターを凝視していた。指先は記録用のノートをぎゅっと握りしめている。

数秒後――ずっと小刻みに揺れていた曲線が、ふっと静まり返った。極限まで滑らかな一直線へ。

反応の遅れ、0.03秒。

許容範囲内。

――完璧にクリア。

多目的ホールは、きっかり二秒、沈黙した。

それから、誰かが最初に手を叩いた。

ぱち、ぱち……と疎らだった拍手は、みるみる密になり、熱を帯び、波のように押し寄せる。天井がかすかに震えるほどの轟き。

中村副所長が立ち上がった。

背後の数人も、つられるように立つ。

さらに、さらに――次々と人が立ち上がる。誰も口にしない。ただ、全員...

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