第173章

隣にいた黒田美穂も立ち上がった。瞳の奥に、嫉妬と憎しみが一瞬だけ走る。だがすぐに、か弱い顔に戻してみせる。

「お姉ちゃん、怒らないで。こんなにいいアクセサリー、見たことないんじゃない? もし欲しいなら言ってくれればいいのに。私のところに、昔つけてたのがいくつかあるし……あげてもいいよ。こんな、こそこそした真似しなくても」

言い終えるなり、黒田理沙がふっと笑った。

黒田美穂を見る目は、まるで道化を見るみたいだった。

「あなたのもの? 私にくれる?」

黒田美穂はおとなしく頷く。

「もちろん」

次の瞬間、黒田理沙はネックレスを手に取り、元の宝飾箱へ戻した。ぱちん、と蓋を閉じてから、ゆ...

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