第177章

「い……いえ、違……」

誰も彼女の言い訳には取り合わない。映像は淡々と先へ進む。

メイドはその場を離れると犬小屋へ回り込み、きょろきょろと周囲を確認した。人影がないと見るや、ポケットから鍵を取り出して鉄扉を開ける。――ブラックタイガー号を外へ放ったのだ。

それからメイドは小走りで庭の暗がりへ向かう。

そこには、すでに一人の女が立っていた。

青山美玲。

二人は木の陰に身を潜め、遠くの黒田理沙をじっと見据える。まるで見世物を待つ観客みたいな顔。その様子が、はっきりと映っていた。

青山美玲の顔から血の気がすっと引く。

「……うそ……そんな、ありえない……」

防犯カメラはまだ続く。...

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