第179章

そのとき、庭のほうから車のエンジンが落ちる音が、かすかに届いた。

ほどなくしてホールの外で足音がする。

使用人が小走りで駆け寄って扉を開けた次の瞬間、背の高い影がすっと中へ入ってきた。

「おじさん、おばさん」

島谷蒼汰はいつもの愛想笑いを浮かべ、手には包装の洒落たギフトボックスをいくつか提げている。

「春樹が戻ったって聞いてさ。ちょうど近くを通ったから、顔だけでもと思って」

そう言いながらリビングへ足を踏み入れ、反射的に室内を見回した――そのまま、ぴたりと動きが止まる。

少し離れたところで、青山美玲が使用人に支えられ、ようやく立ち上がったばかりだった。

長く跪いていたせいで目...

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