第183章

青山春樹は深く息を吸い、伸ばしかけた手を引っ込めてコートのポケットへ戻すと、笑みをいっそう深めた。

「じゃあな。仕事、頑張れ。明日の飯は時間どおりに届く。ちゃんと食えよ」

そう言い残してドアへ向かい、取っ手に手をかけたところで、ふと思い出したように顔だけ振り返る。

「寮のベッド、2メートル幅で手配させた。狭いなら、もっとデカいのに替えればいい」

黒田理沙は彼を見つめ――ついに堪えきれず、くすっと笑った。

春樹が出ていったあと、理沙はデスクへ戻る。

そのとき、廊下の向こうから「ぴょん」と跳ねるような音がした。

一瞬、固まる。

……春樹兄が、外で跳ねた?

そんなわけがない。

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