第188章

翌朝、黒田理沙は会社へは行かなかった。ひとりで城西にあるリンシュ研究所へ向かったのだ。

旧市街の路地を奥へ奥へと入った先に、ぽつんと建つ一軒家。外観は地味で目立たない。だが中は、二階から下をぶち抜いて地下二層まで増設されており、揃っている設備は京清市でも屈指――最先端と言っていい。

白衣に着替え、鍵をかける。操作台の前に立つと、理沙はすぐ作業に入った。

祖母の薬は量産できない。ひとつの周期ごとに、身体の反応を見ながら配合比率を微調整する必要がある。ほんのわずかでも狂えば、意味がない。

だからこそ、適した薬材を揃えるには自分で来るしかなかった。

研究所に着くなり、彼女は俯いて秤に薬材...

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