第192章

数日後――黒田家のリビングには、久しく途絶えていた「めでたさ」みたいな空気が戻っていた。

黒田美沙子はソファに腰を下ろし、スマホを握りしめたまま、点数照会の画面を輝かせている。

「98点!」

声が思わず跳ね上がる。彼女は隣の黒田守へ勢いよく顔を向けた。

「見た? 98点よ! 満点は120点なのに! うちの美穂が98点!」

黒田守はスマホを受け取り、うつむいたまま数秒、画面を凝視した。それから、ずしりと重くうなずく。口元に、ようやくかすかな笑みが浮かんだ。

こんな顔を見るのは、いつ以来だろう。

ここしばらく、黒田グループは資金繰りが崩れ、提携先は手を引き、銀行からは返済の催促が続...

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