第193章

リビングの空気が、ふっと凍りついた。

黒田美沙子は笑みを貼りつけたまま、わずかに頬を引きつらせる。

「全国一位? 一位って……誰なの?」

山本琉生が淡々と告げた。

「黒田理沙さんです」

黒田家のリビングは、完全に音を失った。

黒田美沙子の笑顔は、誰かに停止ボタンを押されたみたいに固まる。唇が少し開いたまま、しばらく閉じられない。

黒田美穂の顔から余裕が、粉々に砕け散った。

彼女は勢いよく立ち上がり、声を尖らせる。

「ありえない! どうして、あの人が!」

山本琉生を睨みつけ、言葉が加速していく。

「黒田理沙みたいな人が一位なんて取れるわけないでしょ! あの人、黒田家に二十...

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