第20章

「オークションは、いつ?」

青山美玲はカップを置き、どこか焦れた声で尋ねた。

「三日後です。ケンピンスキーホテルで」

高橋の声がさらに低く落ちる。

「お嬢様、これは千載一遇のチャンスでございます。考えてもみてください。再生丹を競り落として、花村様に直接お届けになれば、花村家の皆さまが誰一人としてお嬢様のご恩を忘れますまい。花村家の御曹司がどれほど気が進まなかろうと……お嬢様を娶らぬわけにはいきません」

青山美玲は膝の上で指先を、こつり、こつりと二度鳴らした。ゆっくりと口元が弧を描く。

高橋の言うとおりだ。

花村様を救えば、尚希兄に気持ちがなくとも、恩だけは返さざるを得ない。

...

ログインして続きを読む