第201章

花村尚希は彼女の表情を見て、口元の弧をさらに深くした。声もつられて柔らかくなる。

「行こう。たった一日だけだ。お前、毎日忙しすぎて飯もろくに食ってないだろ。たまには休め。それに――俺が保証する。ちゃんと楽しくさせるし、腹も減らさない。退屈もさせない。……俺に付き合うってことで、だめ?」

黒田理沙は画面の向こうの、期待でいっぱいの目を見つめた。ふと、初めて会った頃とは別人みたいだと思う。

研究所の廊下で、閻魔大王みたいに冷たい気配をまとっていた男。

それが今は、ウォーターパークに誘うために声を甘くして「だめ?」なんて言っている。

同じ人間なのか、と。

理沙はこらえきれず口元を少しだ...

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