第203章

「ちょっと疲れた。戻って二度寝する。おまえ、他を当たれ」

そう言い捨てると、彼は余計な言葉ひとつ残さず、重たい足取りで一段一段、階段を上がっていった。

青山美玲はその場に立ち尽くす。笑みはまだ顔に貼りついたままなのに、口角は引きつり、今にも崩れ落ちそうだった。

背中が階段の曲がり角に消えるまで見送り、脇に垂らした指先を、ゆっくりと握り込む。

深く息を吸い、踵を返して自室へ戻った。

背後で扉が閉まる。美玲はベッド脇まで歩くと、床に転がっていた殻の割れた小型ロボットを拾い上げ、くるり、くるりと二度ほど掌で弄ぶ。次の瞬間、五指がぎゅっと締まり、関節が白く浮いた。

――どうして。

歯を...

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