第206章

黒田理沙はその場に立ち尽くしたまま手を引っ込め、玄関先の足音が遠ざかっていくのを確かめてから、ようやくパソコンを開いた。指先がキーボードに降りる。

昨日は、あのマスターキーの処理を終えたところで眠りに落ちた。――今日は中身を洗う番だ。わざわざ真夜中に大勢を動かしてまで解かせようとしたものが、いったい何なのか。

昨夜のURLを踏むと、ページはすっかり様変わりしていた。第一層の暗号化ファイアウォールが、当然のように立ちはだかる。

理沙は眉をわずかに上げただけで気にも留めない。三行、コマンドを叩く。身元照合ノードを迂回。

第二層。侵入検知モジュールのデータフローを丸ごとループミラーにして、...

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