第211章

翌朝早く、黒田理沙は大きな袋を提げて二階から降りてきた。

袋はぱんぱんに膨らみ、ぎゅうぎゅうに詰まっている。青山彩はダイニングテーブルでお茶を飲んでいて、理沙の姿を見るなり、その袋に視線を落とす。

「理沙、それ……何?」

「ちょっと人に届けるもの」

理沙は袋を玄関の棚に置き、屈んで靴を履き替える。

青山彩はふっと笑っただけで、それ以上は聞かなかった。

黒田理沙が玄関を出ると、黒いマイバッハがいつもの場所に停まっていた。

花村尚希は、彼女があの袋を提げて近づいてくるのを見ると、すぐに歩み寄って受け取る。袋の口をちらりと覗けば、中にはきっちり畳まれた服が何枚も入っていた。

「……...

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