第215章

翌朝。陽射しが大きな窓いっぱいに広がるなか、黒田理沙は着替えを済ませて階下へ降りた。

ダイニングテーブルのそばにいた青山彩が、彼女の姿を見つけてぱっと目を輝かせる。

「理沙、今日はデパート?」

「うん。ジュエリー展のブースを見に行く」

「じゃあ運転手を――」

「いい。自分で運転する」

彩は口を開きかけ、結局は小さくうなずいた。

「……分かった。気をつけてね」

玄関で靴を履き替えていると、階段をとんとんと駆け下りてくる足音。青山遥斗が薄手の上着を片手に現れた。

「外、冷えてる。これ、着ていけ」

理沙は受け取り、ちらりと目を落とす。

自分の上着だった。いつの間にか遥斗兄が持...

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