第22章

黒田理沙と田中菜々緒がオークション会場を出た。階段を下りたところで、正面から二人と鉢合わせる。

黒田美沙子と黒田守。

二人は入口付近に立っていて、顔色はどちらも冴えない。

黒田美沙子はバッグをきつく握りしめ、指の関節が白くなるほど。隣の黒田守は眉間に深い皺を刻み、まるで蝿でも挟み潰せそうな険しい顔つきだ。

今日のオークションは、運がよければ開明丸か再生丹を――そんな淡い期待で来た。

だが、開明丸は1億2000万で誰かにさらわれ、再生丹に至っては花村家が1粒3億でまとめて買い占めた。

何度か札は上げた。けれど、相手の端数にすら届かない。

結局、黙って座ったまま最後まで見届けるしか...

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