第220章

黒田美穂は身体をこわばらせ、口を開きかけたまま――結局、何ひとつ言葉にならなかった。

周囲のひそひそ声が、平手打ちみたいに次々と頬へ叩きつけられる。

彼女は必死に首を振る。

「ありえない……どこか、何かの間違いよ!」

慌てて井口景太へ向き直り、声を震わせた。

「景太、信じて! 私、本当に何も知らないの。前に言われたのはジュエリーエリアで買えないってことだけで……あのブランドだけの話だと思ってた。デパート全体で私の購入が制限されてるなんて、知らなかったの!」

井口景太の眉間の皺が、さらに深くなる。

さっきまでは信じようとしていた。だが現実は、バックステージの表示が「取引制限」。

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