第24章

黒田理沙がドアを押し開けて出てきた。スクラブはまだ脱いでいない。キャップのつばの下から白い額が覗き、薄く汗が滲んでいた。

「もう大丈夫です」

声音は落ち着いている。

「あと二日ほど経過を見ましょう。回復期は食事に気をつけて。もう、変なものを適当に口にしないでください」

彼女の後ろから小山が続いて出てくる。顔には隠しきれない敬意が浮かんでいた。

「黒田さんの腕前、今日は目が覚めました。あの血管の閉塞部位、ほんとに厄介で……普通なら最低でも三時間はかかります。それを四十分で片づけて、しかも出血がほとんどゼロだなんて」

廊下の突き当たりにいた眼鏡の医師は、その言葉を聞きながら、嘲るよう...

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