第243章

「上げて!」

黒田美沙子は黒田守の腕に爪が食い込むほどしがみつき、必死に囁いた。

「上乗せよ! みんな奪い合ってるじゃない。この土地、絶対に値がつく!」

黒田守は奥歯を噛みしめ、勢いよく札を掲げる。

「3億7000万5000!」

「3億8000万」

黒田理沙が淡々と上げた。

「3億9000万」

青山博文。

「4億」

林谷浩之。

値は数分のうちにロケットみたいに跳ね上がっていく。

ホールの熱気は天井を突き抜け、視線がいくつもの方向へ忙しなく行き来した。

黒田守の札は上がるたびに速くなる。歯を食いしばって、ただ追いすがるように。

背中は汗でびっしょりだ。シャツが肌に貼...

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