第28章

「自分で行くから平気」

「ついでだし」

相手は秒で返してきた。

黒田理沙は「ついで」の三文字を見つめ、口元をひくりと引きつらせる。

療養所は京清市の西郊外。青山家は城東。――どこの“ついで”だ。

突っ込む気にもならず、それ以上返信もしない。スマホをマナーモードにしてテーブルへ置き、眠る準備をした。

ベッドに横になった途端、画面がふっと明るくなる。

無視。

また光る。

それでも無視。

やがて、画面は静かに暗転した。

黒田理沙は目を閉じ、布団を引き寄せる。

眠気がようやく込み上げた、その瞬間。スマホがまた点いた。

今度は通知ではない。着信だ。

ディスプレイに表示された...

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