第35章

黒田理沙という女――あれは、最初は顔がいいってだけで俺の方から少し追った。自分の女にしようと思ってな。

ところが、あのクズ女は見る目もない。人前で平然と断りやがって、俺に恥をかかせた。

こっちは江城・井口家の一人息子だぞ。面子を潰しておいて、今さら落ちぶれてるのは自業自得ってもんだ。高慢ちきなツケが回ってきただけ。

ああいう女は、囲われるのを嫌がった時点で終わりだ。残る道なんて、せいぜい清掃員くらいだろ。

「……身の丈ってやつだな」

淡々とした声の奥に、見下ろすような侮蔑が混じる。

「関わるな。縁起が悪い」

黒田美穂は素直にこくりとうなずいた。けれど視線だけは、ついショッピング...

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