第41章

黒田理沙は、画面の上で指をぴたりと止めた。

顔を上げ、向かいで彼女にお茶を注いでいる男を見る。

急須はわずかに傾き、茶は湯呑みの縁を伝って静かに落ちていく。一滴もこぼさない、妙に手慣れた所作だった。

この人、山荘を買収するつもりなの?

理沙は視線を落とし、すぐさま一行だけ打って送る。

『理由は?』

田中菜々緒からは即座に返信が返ってきた。

『秘書さんの話だと、花村社長が将来の奥さんに贈るために買うんだって。その人、食べるのが好きらしいよ。理沙、あの人ほんとに桁違い。あの山荘、前に理沙が相当お金かけて改装したでしょ。今じゃ京清市でいちばん有名な山荘だし、提示額もありえないくらい破...

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