第44章

黒田守の顔色は灰のように青白く、答えない。

黒田美沙子はその様子に怯え、上体を起こして彼のほうへにじり寄った。声が震える。

「守……どうしたの? お願い、何か言ってよ!」

「……終わった……」

黒田守は唇をぶるぶる震わせ、焦点の合わない目で呟く。

「全部……終わった……」

「何が終わったのよ! はっきり言いなさい!」

黒田美沙子の声が甲高く尖った。

「一億……溶けた」

黒田守はがばっと顔を上げる。目は真っ赤で、声がいきなり数段跳ね上がった。

「取引先が全員、逃げた! 三社が同じタイミングで、一斉に契約打ち切りだ! それが何を意味するか分かるか? 黒田家が終わるってことだ!...

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