第51章

駐車場で、黒田美沙子は車のドアにもたれかかっていた。顔色は蝋のように黄ばんでいて、額にはじっとりと冷や汗が浮かんでいる。

胸の奥がまた重く締めつけられる。息が浅く、速い。何かに押し潰されそうで、うまく吸い込めない。

隣に立つ黒田美穂は、うつむいてスマホを見ており、母の異変に気づいていなかった。

「美穂……」

黒田美沙子の声は力がない。

「ママ、具合が悪いの……ちょっと見て……」

黒田美穂は顔を上げ、母を一瞥して眉をひそめた。

医者じゃない。けれど、これだけ苦しそうなら放っておくわけにもいかない。

唇を噛み、バッグを探る。取り出した瓶には、淡い黄色の粉末が入っていた。

白石由...

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