第53章

黒田家の面々が療養所の正門まで戻ってくると、遠目にも入口の外に規制線が張られているのが見えた。

黒塗りの車が何台も横づけされ、黒い制服の警備員が十数人、ずらりと一列に並んで通路を完全に塞いでいる。

門前にはすでにかなりの人だかりができていた。プレゼントを抱えた者、果物籠を提げた者――誰も彼もきっちりした背広姿だが、全員が規制線の外で足止めを食っていた。

「どうか通してください。花村さんとは昔からのお付き合いなんです」

灰色の背広を着た中年男が愛想笑いを浮かべ、手にした上等な箱を差し出すようにして頼み込む。

警備員はぴくりともせずに言った。

「お約束のない方は、どなた様もお通しでき...

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