第55章

黒田理沙は花村研介の腕を支え、速すぎも遅すぎもしない歩幅で――老人のペースにぴたりと合わせて歩いた。

門の外では、まだ人だかりが様子をうかがっている。

誰かが先に花村研介の姿を見つけて叫んだ。

「出てきた、出てきたぞ!」

いっせいに視線が投げられる。

次に彼らが目にしたのは、花村研介の隣にいる若い女だった。

黄色いシャツ。肩に落ちる髪。薄化粧で、淡々とした雰囲気。花村研介の腕を自然に支える所作は、まるで何度も繰り返してきたかのように馴染んでいる。

「さっき中に入っていった女じゃないか……なんで花村さんの腕を取って出てくるんだ?」

「いったい誰だよ。花村家の親戚か? それとも…...

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