第57章

警備員が手を伸ばして彼女を制すると、青山美玲は顎をすっと持ち上げ、いくぶん気取った口調で言った。

「青山家の者です。花村さんのお誕生日をお祝いに参りました。お取次ぎをお願いします」

警備員は一瞥だけくれて、よそよそしい声を返す。

「青山さん。旦那様は本日、面会をお断りしております。お引き取りください」

青山美玲の笑みが、ほんの一瞬だけ凍りついた。だがすぐに持ち直し、バッグからスマホを取り出すと、メッセージ画面を開いて山田の目の前に差し出す。

「こちらをご覧ください。花村さんから以前いただいたメッセージです。『暇なときに家に寄って』と。今日はお誕生日ですし、少しだけご挨拶にと思って。...

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