第64章

会議が終わるころ、窓の外の陽射しはすでに西へ傾いていた。

黒田理沙はファイルを閉じ、席を立つ。

オフィスのドアを押し開けると、山本葵が報告書の束を几帳面に理沙のデスクへ積んでいた。

いちばん上は人事部から上がってきた社員データの集計。開いたページの数行が蛍光ペンで引かれている。

黒田理沙は腰を下ろし、上から順に目を走らせた。

七ページ目をめくったところで、指がふっと止まる。

人事部長の平島里香。入社四年。勤怠は、まるで印刷された文字みたいに綺麗だった。

皆勤、残業、さらには週末出勤の印まで十数回。

隣の給与集計欄には、年収3000万。各種手当と賞与は別。

黒田理沙はそのペー...

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