第77章

「――とくに、あの人の娘です。年も私とほとんど変わりません」

川村南の声が、すうっと沈んだ。

「その子が戻ってきてから、私のものは何でも奪われました。服も、おもちゃも、学校も、友達も。私が争わないと分かると、ますます図に乗ってきて……奪うだけじゃ足りなくて、あとからわざわざ踏みにじるんです。お前には何一つ持つ資格なんてないって、思い知らせるみたいに」

「そのあと私が大学に受かったら、今度は父に、学費なんて出さないで退学させて工場で働かせろって言ったんです。だから私は大学に入ってから、ずっと自分で働いて学費も生活費も稼いできました。川村家のお金なんて、一円だって使っていません」

そこで...

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