第84章

山口晴子はファイルを受け取り、軽く目を落としたところで、ほんのわずかに目を見開いた。

秋元大輝と川村南。

彼女は何も言わず、そのままファイルを持って部屋を出ていった。

廊下では、秋元大輝が開発部から出てきたちょうどそのとき、川村南も自席から立ち上がるのが見えた。二人は前後して、廊下の奥へと歩いていく。

先を歩くのは秋元大輝。足取りは一定で、急ぎもせず、かといって緩みもない。

その後ろを、川村南が数歩ぶんの距離を空けてついていく。うつむきがちの視線は、自分のつま先に落ちていた。

長い廊下だった。突き当たりの窓から差し込む陽射しが、二人の影を細く長く引き延ばしている。

中ほどまで来...

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