第99章

それを見た瞬間、黒田美穂はぎょっと目を見開いた。

青山家といえば、全国でも指折りの大富豪だ。黒田家だって裕福ではあるが、青山家とは比べものにならない。何重にも隔たりがある。

その青山家の人間に、美穂でさえ会ったことがない。なのに黒田理沙は、青山家の席に座っている――?

美穂は上座にいる男へ目を留めた。中年に差しかかってはいるが、纏う気配は群を抜いている。周囲の人間とは明らかに格が違った。

あれが青山博文だろう。

そして隣の、品のいい二人の女性が、妻の青山彩と娘の青山美玲に違いない。

なのに黒田理沙は、そんな面々に囲まれながら、青山博文の左隣に空いていた席へ、ごく自然に腰を下ろした...

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