第207章 確かに怒る

今野敦史は不機嫌そうに白川有香へ視線を投げた。

「何をしている」

「助けてあげてるんじゃない!」

有香は唇を尖らせた。

「あんたのために一肌脱いだんだからね。大きな借りができたと思いなさいよ」

翌朝。中林真由はロビーですでに三十分も待っていたが、白川有香はまだ降りてこない。

デザインの方向性が変わり、当然ながら仕事量は増大している。

数人が手分けして動くことになり、真由は有香と同じ組に割り振られていた。

一日で数日分の仕事をこなさなければならない。真由は事前に時間を決めておいたのだが、相手が現れる気配はない。

何度電話しても応答はなく、部屋も不在のようだ。

清掃員に頼んで...

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