第211章 あなたはどこ

一方、ホテルの入り口で張り込みを続けていたマスク姿の男は、すでに電話をかけていた。

「社長、彼女を見失いました」

「はっ、ただちに捜索します」

江口俊也はホテルを出た時点で、監視の視線には気づいていた。

だが、そんな連中にかまけている時間はない。彼は視察団の運転手に、並木通り近くの警察署へ向かうよう指示した。

彼は闇雲に路肩を探すような真似はせず、真っ先に監視カメラの映像を確認した。

中林真由がこの辺りで車に乗ったのは間違いない。だが、車は並木通りで停車などしていなかった。

つまり、白川有香は嘘をついたのだ。

江口俊也の顔色が土気色に変わる。だが、白川有香を問い詰めている暇は...

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