第252章 心停止

看護師の叫び声は決して小さくなかった。ましてや中林雪乃がいるのはVIP病棟である。瞬く間に大勢の医療スタッフが駆けつけてくる。

だがその騒ぎに乗じ、交代要員の介護士がこっそりと姿を消したことに気づく者は、誰一人としていなかった。

本来の担当介護士は、ほんの少し買い出しに出ていただけだった。戻ってきた彼女はその惨状を目にし、持っていた荷物を思わず床に取り落としてしまう。

彼女は慌てて近くの看護師の腕を掴んだ。

「3番ベッドの中林雪乃さんが、あ、あの方はどうされたんですか!?」

「詳しいことは分からないわよ! とにかく家族に連絡して。娘さんか甥っ子さんを今すぐ呼んで!」

看護師は苛立...

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