第260章 こんなに馬鹿?

その日、中林真由は一日中ろくに食事を摂っていなかった。明日の朝に行われる手術のことを考え、とにかく腹に何か入れておこうと、彼女は外へ出ることにした。

実のところ、それは気晴らしでもあった。

集中治療室(ICU)の待合室には、重篤な患者を抱える家族たちが集まっている。その空間は、どこまでも重苦しく、息が詰まるようだった。

どの家族の顔にも涙の跡が張り付いており、そこにいるだけで真由は窒息しそうだったのだ。

病院のすぐ近くにあるコンビニに入り、彼女は手近な食べ物を適当に手に取った。

コーヒーの棚の前で、ふと手が止まる。

本当はコーヒーが飲みたかった。だが、術後の二十四時間が勝負だと分...

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