第281章 人を間違えた

ウォッカはアルコール度数が高い。これだけの量を一気に飲み干せば、誰だって酔ってしまう。

だが、白川有香は最後の一滴まで飲み干すと、空になったボトルを安定した手つきでテーブルに戻した。その瞳には、一点の曇りもない。

彼女は皆に向かって微笑んだ。

「悪いけど、本当に酔っちゃったみたい。お先に失礼するわ」

彼女は軽く一礼すると、背筋をピンと伸ばしたままレストランを後にした。

中林真由はその背中を見つめ、無意識のうちに後を追おうとした。

「どこへ行くつもりだ?」

今野敦史が歩み寄り、彼女の腰に手を回す。

今日の中林真由が身に纏っているのは、淡いピンク色のドレスだ。彼女の肌色によく映え...

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