第286章 考える時間は三日間

中林雪乃の容態は安定し、集中治療室を出て一般病棟に移っていた。

中林真由はようやく胸を撫で下ろし、仕事の懸案事項を片付けることにした。

翌朝、彼女は『リーウェイ』へ直行した。

てっきり高橋大和はすぐに株式譲渡契約を結んでくれるものと思っていたが、真由の顔を見るなり彼は席を立った。

「ちょうどよかった。ちょっと出てくれ、商談がある」

「高橋社長、先方の資料は? 手ぶらで行くのですか?」

高橋大和の後をついていきながら真由は尋ねた。

「君がいればいい。この手の案件は得意だろう」

高橋大和の言葉は曖昧で、中林真由は嫌な予感を覚えた。

『江口グループ』に到着したとき、彼女の驚きはさ...

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