第318章 大至急

長年、今野敦史の傍らに控えてきた中林真由だ。人を見る目には自信がある。

今の白川芽唯の態度は明白だった。彼女は今野家の内情に疎い。だが、それを中林真由に悟られまいとして、あえて今野家との距離の近さを演出しているのだろう。

今のこの「寛大さ」のアピールも、自身の立場を優位に見せるための虚勢に過ぎない。

かつての真由なら胸を痛めたかもしれないが、今となっては波風ひとつ立たない。

「中林さん。実はあなた、高校時代にも私と敦史の話を聞いていたんでしょう? だから私を敵視している」

白川芽唯は食事には手を付けず、コーヒーカップを傾けながら言った。

真由は眉をひそめた。彼女と今野敦史? 高校...

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