第324章 陥れられるのは御免だ

白川芽唯は歯噛みするほど悔しがったが、言葉は一つも出てこなかった。

中林真由にはそれだけの力があることを、彼女は知っている。

今野敦史に真由への気がなければ、何度も彼女を助けるはずがないのだ。

芽唯の瞳からは嫉妬が溢れ出しそうだった。今すぐ何かしなければ、気が狂ってしまいそうだ。

食事の間、誰もが笑顔を浮かべていた。

中林真由と今野敦史を除いては。

一同がバンドンホテルのエントランスに出ると、村松丈は二、三言葉を交わして早々に立ち去った。

村上安里と荻原悠生も空気を読み、用事があると言ってすぐにタクシーを捕まえて消えていく。

一人残された真由は、どこか虚ろな表情で立ち尽くして...

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