第327章 デジャヴ

今野敦史は中林真由を見て、少し呆気にとられた。彼女があんなふうに笑うのを見るのは、ずいぶん久しぶりな気がしたからだ。

いつからだろうか。中林真由が心から笑わなくなったのは。

以前の彼女は、とてもよく笑う娘だったのに。

その時、ウェイターがスープとサーモンの刺身を運んできた。

今野敦史はサーモンに視線を落とし、言った。

「残ったサーモンは全部包んでおけ。野良猫と野良犬の餌にする」

中林真由は呆れた顔をした。サーモンが高いことを知らないのだろうか。

その様子を見て、今野敦史は思わず吹き出しそうになる。

だが中林真由はすぐに営業用の笑みを浮かべ、今野敦史の器にスープをよそった。

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