第330章 忌々しい白川芽唯

村松丈が車を降りると、中林真由は素早く目配せをした。

相手もすぐに意図を汲み取り、先に出迎えに向かう。

真由は声を潜めた。

「白川さん、今は勤務中ですので。仕事の邪魔をしないでいただけますか。あなたと話すことなどありません。お引き取りください、今すぐに」

白川芽唯のこの剣幕だ、事情は察しがつく。

どうせ今野敦史のことだろう。それ以外に何があるというのか。

あのクソ今野め!

真由がその場を立ち去ろうとすると、芽唯がその手首を強く掴んだ。

「中林真由、何を怖がっているの?」

芽唯はわざと声を張り上げた。真由を睨みつけるその表情は、憎悪で歪んでいる。

「怖がるようなことでもした...

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