第337章 婚前契約

中林真由は部屋に戻ると、まずスマホを確認した。平野歩美からの返信はまだない。

待ちきれなくなった彼女は、直接電話をかけた。

しばらく呼び出し音が鳴った後、ようやく平野歩美が出た。

中林真由が早口で現状を伝えると、平野歩美は一瞬言葉を切り、こう言った。

「確かにちょっと厄介ね。手持ちの案件を整理して、明日そっちに向かうわ」

「本当にありがとう! 安心して、弁護士費用は最高額を払うから!」

中林真由の声は興奮で上ずっていた。

今日一番の朗報だった。

平野歩美が来てくれるなら、もう何も怖くない。

平野歩美はふっと笑った。

「安心して。一銭たりとも負けてあげないけど、その分、全力...

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